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日本リテールファンド投資法人を格下げ方向で「クレジット・ウォッチ」に指定
短期格付けは据え置き

掲載日:    Oct 30, 2009 12:15 JST
老川由美、東京 電話03-4550-8775
小野寺亮、東京 電話03-4550-8690
「クレジット・ウォッチ」・格下げの可能性
A+ 長期会社格付け
A+ 第1-6回無担保投資法人債(発行総額1,000億円)
無担保固定利付ローン(借入額50億円)
据え置き
A-1 短期会社格付け
A-1 短期投資法人債プログラム(発行枠500億円)
  • ラサールジャパン投資法人との合併に伴い、財務基盤の改善が遅れる可能性がある。
  • 長期格付けを引き下げる方向で「クレジット・ウォッチ」に指定。
  • 合併スキームの詳細や運営戦略・財務方針などを見極めたうえで、「クレジット・ウォッチ」を解除する。

(2009年10月30日、東京=S&P)スタンダード&プアーズは本日、日本リテールファンド投資法人(JRF)の長期会社格付けと、上記の個別債務の長期格付けを、引き下げる方向で「クレジット・ウォッチ」に指定した。同投資法人がラサールジャパン投資法人(LJR)を吸収合併する意向を表明したことを受けたものである。合併に伴い、JRFの資本・負債構成、利払い余力や収益性などの財務指標の改善が遅れる可能性があると判断したことに基づく。短期格付けは据え置いた。

JRFは2008年4月に財務戦略上の有利子負債比率を引き上げたことを背景に、同比率に加えて、利払い余力・収益性などの指標が、現在の格付けで当初想定した水準よりやや悪化している。スタンダード&プアーズは2009年5月14日付で、JRFのアウトルックを「ネガティブ」に変更する一方、同投資法人が事業環境悪化に伴い財務基盤の強化に取り組む方針を示していたことを受け、その進捗と効果を注視していた。今般JRFから発表された合併計画によると、LJR資産の承継によりJRFの資産規模は拡大することから、中長期的にポートフォリオの収益力の強化に寄与する可能性がある。一方で、JRFが承継するLJRの資産規模はJRFの約22%程度と比較的小さいものの、LJRの有利子負債比率が高い中、JRFがLJRの有利子負債をすべて継承することなどから、JRFの資本・負債構成に短期的に影響が及ぶ懸念がある。JRFが財務基盤を改善するには、一定の時間を要する可能性があるとスタンダード&プアーズは考えている。

今後、合併スキームの詳細やJRFの運営戦略・財務方針を確認し、財務基盤の改善ペースの見通しとその実現性などを検討・精査したうえで、「クレジット・ウォッチ」を解除する。被合併法人であるLJRの既存債務や、既存物件の売却計画を含めた取り扱いについても分析に織り込む。JRFの財務基盤が短期的に改善しないと判断した場合には、格下げとなる可能性がある。

JRFは、スポンサーである、三菱商事(A+/安定的/A-1)とUBS AG(A+/安定的/A-1)の高い信用力とブランド力などを背景に、商業施設を中心に構成される、分散した質の高い不動産ポートフォリオ(取得価格ベースで約5,711億円、2009年8月末時点)を構築している。同投資法人の当面の信用力は、J-REIT市場おける強い事業地位と質の高い不動産ポートフォリオから生みだされる、概ね安定したキャッシュフローによって下支えされているため、仮に格下げとなる場合でも、引き下げ幅は1ノッチ(段階)にとどまる可能性が高い。

<関連リポート>

「不動産投資信託(J-REIT)に対する格付け方針」 (2001年5月)

格付けを商業目的でスタンダード&プアーズの有料情報サービスに類似したデータベースに蓄積したり、自動的に配信することを禁止します。