スタンダード&プアーズは15日付で、2005年第1-3四半期に発行された第1順位抵当付米国サブプライム住宅ローン担保証券(RMBS)402クラスを格下げした。発行時の額面価額で46億ドル、同期間にスタンダード&プアーズが格付けを付与した第一順位抵当付米RMBS(発行総額3,200億ドル)の1.45%に相当する。また、スタンダード&プアーズは、同時期に格付けを付与した第一順位抵当付米RMBS(額面価額2,524億ドル相当)の格付けを据え置いた。
今回格下げとなった証券の約86%の格付けが「トリプルB格」以下であった。格付け「トリプルA」の第一順位抵当付RMBSの格下げはなかった。
今回の格下げの理由は、最新のデータに基づき、1)裏付けとなっている住宅ローンにさらに損失が発生する、2)その結果、既存および予測される今後の損失により信用補完が低下する、3)住宅価額が引き続き下落する--ことが予測されるためである。
さらに、格下げとなった証券には、特定の「ステップダウン」日に信用補完を減額することを認める条項が含まれている。信用補完とは、信用状況が悪化した場合に損失をカバーするために必要な保護措置(追加的な資産や資金)である。通常の状況では、たとえ資産プールに損失が生じたとしても、追加担保が証券保有者に支払えるだけの資金を生み出すはずである。しかし格下げとなった証券は、特定の日(ステップダウン日)に信用補完を減額することを認める条件となっているため、将来の損失に持ち応えるだけの十分な信用補完を備えていない可能性があり、今後の損失に対してより脆弱であると考える。
2007年9月に入手したデータによると、2005年第1-3四半期に発行された第1順位抵当付米国サブプライムRMBS全体の累積損失率は92ベーシス・ポイント(bp、0.92%)である。対照的に、格下げとなった案件の累積損失率は104bp(1.04%)と、同期間の平均値を13%上回っている。この10年間では、2005年以前に最も実績の悪かった年である2000年の98bp(0.98%)に匹敵する。
格下げとなったRMBSは特に損失増加の影響を受けやすいとみられる。その理由は、裏付けているローンの70-80%が、近い将来に何らかの支払額の変更がなされることになっているためである。そのほとんどは2/1金利調整住宅ローンで、当初の低固定金利期間が経過して、金利変動段階に入っており、さらにすでに、通常は最大となる最初の金利リセットを終了している。業界にはサブプライムの借り手に対する貸し付けが増加するとする声もあるが、1)金利調整ローンの金利条件をリセットしたためにローンの支払いが増加した、および2)変動金利あるいは固定金利のローンで、利払いのみの期間が終了し、元本の返済が始まった--借り手については、損失が増大すると考えている。
格付け見直しの一環として、2005年上期にクローズしたローンのデフォルト時の損失率は33%台、同下期にクローズしたローンについては40%台を想定した。
スタンダード&プアーズは、米国住宅市場で価格の低下が続くと考えている。物件価額はピークだった2006年春から平均で11%下落して底値を付けた後に、2008年遅くになって回復に転じると予測している。住宅価格の下落が続くと、サブプライムRMBSには追加のストレスとなろう。
以前の発表通り、スタンダード&プアーズは2007年7月に見直した想定に基づいて、2007年に発行された案件の格付けを見直す。さらに、2005年第4四半期と2006年に発行された案件についても、そのパフォーマンスの新たなデータと直近の経済見通しに照らして、見直しを続けていく。
今後のRMBSの格付けについては、スタンダード&プアーズは、信用補完を取り崩す前に維持すべき最低信用補完に関する想定を見直した。新たな想定により、ステップダウン日が発生した後に投資家に支払うために利用できる現金が増加し、米RMBS案件の格付けの安定性が高まるだろう。スタンダード&プアーズはこの信用補完の最低要件がRMBS案件の全期間に及ぼす影響を引き続き精査し、終了した時点でリポートを公表する予定である。
*本プレス・リリースは、2007年10月15日付でニューヨークから発信された英文プレス・リリース「Ratings Lowered On 402 First-Lien Subprime U.S. RMBS Classes From 1Q-3Q Of 2005」の翻訳です。同日付の英文リポート「Ratings Lowered On 402 First-Lien Subprime U.S. RMBS Classes From 1Q-3Q Of 2005」および「U.S. Subprime Classes Issued During First Three Quarters Of 2005 Affected By Oct. 15, 2007, Rating Actions」も併せてご参照ください。英文リポートは英語情報サービス商品である「Ratings Direct」および英文ウェブサイトに掲載しています。
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