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京都市に「A+」の自治体格付けを付与
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| 掲載日: Aug 01, 2007 23:00 JST |
| アナリスト: 柿本与子、東京 電話03-4550-8705 |
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| 新規格付け |
| A+ |
長期発行体格付け |
| アウトルック:安定的 |
スタンダード&プアーズは本日、京都市に対し、発行体格付け「シングルAプラス」を新たに付与した。スタンダード&プアーズが国内で依頼に基づく自治体格付けを付与するのは、横浜市に続いて2例目となる。京都市の格付けには、1)市の安定した自主財源基盤と今後の税収回復見通し、2)堅実な財政運営の実績と財政規律維持の見通し、3)中央政府によるシステムサポート(制度的支援)--を反映している。
京都市は年間5,000万人近い観光客を集める古都であるとともに、最先端の輸出産業を抱える経済センターとしての側面も併せ持っており、多様な産業を擁する。自主財源基盤は、寺社仏閣や山林が多いなど課税対象宅地が限られるために政令指定都市のなかではやや見劣りするものの、日本の地方自治体としては強固で安定しており、国際比較でも同等の格付けカテゴリーの都市に遜色がない。政令指定都市の特徴として特別会計・公営企業会計の規模が大きく、それらの債務がすべて市の直接債務であるため、債務水準は高く、特に地下鉄事業の負担が重い。しかし、市長の強いリーダーシップのもと、早くから財政健全化に取り組んだ結果、全般的には税収基盤の特徴を踏まえた財政規律が維持されており、全会計ベースでの債務残高の増勢は他の自治体に比べて抑制されている。債務残高の対歳入比は普通会計で170%前後、全会計(推定)で200%後半に達するが、税収の回復により歳入増が見込まれるため、今後、改善に向かうと考えられる。
国からの移転支出の伸びが見込めない一方、高齢化の進行や制度的な制約により経常経費を抑制しにくいため、他の多くの自治体と同様に財政の柔軟性は低下しつつある。一方で、経常的な行政サービス活動(投資的活動を除いたベース)の歳入に対する同収支の比率は20%前後と、税収の制約にもかかわらず国際比較では良好な水準にある。投資的経費の負担を加味したベースの収支も、現在はマイナスだが、中期的にプラスに転じるとスタンダード&プアーズはみている。地下鉄事業は最大の懸念材料だが、現在、国が認めた経営健全化計画が進行中であり、一般会計によるある程度の負担を前提に、中長期的には地下鉄事業の採算悪化に歯止めがかかるとスタンダード&プアーズは想定している。
長期格付けのアウトルックは「安定的」である。財政の柔軟性に制約がある一方、市税収入が増加に転じ、今後も伸びると考えられること、次期中期計画で引き続き財政健全化が図られる見込みであることなどから、債務返済能力を維持できると考えられる。市税収入の増加や地下鉄事業の経営改善が滞った場合、あるいは地方財政制度が今後急激に変化し、財源の裏付けなしに大きな行政責任が移転される場合には、京都市の格付けに下方圧力がかかる。京都市はその行政責任に比較して税源が十分とは言えないため、それを大幅に是正するような規模の財源移譲を伴って地方分権が進められる場合には、同市の信用力にプラスに働く。格付けには中央政府による支援を一定程度織り込んでいるため、日本のソブリン格付け(AA/安定的/A-1+)にも影響を受ける。ただし、ソブリン格付けとの直接の連動性はない。
*文中の発行体格付けは「長期/アウトルック/短期」で表示。 |
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