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新潟市に「AA-/A-1+」の自治体格付けを付与
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| 掲載日: Nov 19, 2007 00:00 JST |
| アナリスト: 柿本与子、東京 電話03-4550-8705 |
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| 新規格付け |
| AA- |
長期発行体格付け |
| A-1+ |
短期発行体格付け |
アウトルック:安定的 |
スタンダード&プアーズは本日、新潟市に「ダブルAマイナス」の長期発行体格付けと「A-1プラス」の短期発行体格付けを付与した。スタンダード&プアーズは国内で依頼に基づく自治体格付けを横浜市、京都市、大阪市に付与しており、新潟市は政令指定都市としては4例目となる。同市の格付けは、1)相対的に安定した自主財源基盤と税収回復見通し、2)合併前から続けられている財政規律を意識した財政運営、3)中央政府によるシステムサポート(制度的支援)--を反映している。
新潟市は近隣14市町村との合併を経て、2007年4月、本州日本海側では初の政令指定都市となった。産業は第3次産業が中心だが、他の政令指定都市とは異なり、農業産出額総額が国内有数であるなど第1次産業も盛んで、産業基盤は多様化されている。同市では農地が多く、他の政令指定都市に比較して課税対象宅地が限られる。そのため、自主財源基盤は政令指定都市のなかではやや見劣りするが、日本の地方自治体としては強固で安定しており、国際比較でも同等の格付けカテゴリーの都市に遜色ない。ただし、その行政責任に比較して市の財源となる税源は十分とは言えない。合併に伴い基盤整備事業の対象が拡大したことで、合併前後には債務が急増したものの、市税収入も合併の効果により増加し、今後も緩やかな伸びが見込まれるため、2010年代に入ると、対歳入比で見た債務残高の増勢は改善に向かう見通しである。篠田昭市長の強いリーダーシップのもと、合併以前から経費削減に取り組んでおり、必要な事業を絞り込む財政規律は維持されている。現在債務残高の対歳入比は普通会計で120%程度、全会計(推定)で200%前半に達するが、今後、これらが大きく悪化することはないと考えられる。日本の政令指定都市の特徴として、特別会計・公営企業会計の規模が大きく、両会計の債務がすべて市の直接債務となるため、債務水準は国際的にみて高く、特に新潟市では下水道事業の負担が重い。しかし、政令指定都市の平均的な水準に比較すると、債務負担は緩和されている。
国からの移転支出の伸びが見込めない一方、高齢化の進行や制度的な制約により経常経費を抑制しにくいため、他の多くの自治体と同様に財政の柔軟性は低下しつつある。一方で、経常的な行政サービス活動(投資的活動を除いたベース)の歳入に対する同収支の比率は平均して20%台後半と、国際比較では非常に良好な水準にある。投資的経費の負担を加味したベースの収支は、合併関連事業の進行を反映して現在はマイナスであり、当面は小幅のマイナスで推移するとスタンダード&プアーズはみている。過去、国主導で高速道路をはじめ主要インフラの整備が重点的に行われた地域に含まれていたため、インフラ基盤の水準は国際的にみても非常に高い。合併関連事業が一服する2010年度以降、普通建設事業費は減少に転ずる見込みである。地方交付税など現行の地方財政制度が大きく変わらないことを前提に、中長期的には投資的経費の負担増に歯止めがかかるとスタンダード&プアーズは想定している。
長期発行体格付けのアウトルックは「安定的」である。財政の柔軟性に制約がある一方、市税収入は今後も伸びが見込まれること、中期計画で引き続き財政健全化が図られる見通しが示されていることなどから、格付けに見合う債務返済能力を維持できると考えられる。ただし、市税収入の増加や人件費などの経費削減が滞った場合や、基盤整備事業の負担が上振れした場合、あるいは地方財政制度が今後急激に変化し、財源の裏付けなしに大きな行政責任が移転される場合には、新潟市の格付けに下方圧力がかかる。一方、政令指定都市への昇格による企業活動の活性化で、徴税ポテンシャルが大幅に向上した場合や、新潟市の自主税源の不足を大幅に是正するような規模の財源移譲を伴って地方分権が進められた場合には、同市の信用力にプラスに働く。格付けには中央政府による支援を一定程度織り込んでいるため、日本のソブリン格付け(AA/安定的/A-1+)にも影響を受ける。ただし、ソブリン格付けとの直接の連動性はない。
*文中の発行体格付けは「長期/アウトルック/短期」で表示。 |
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