スタンダード&プアーズは本日、東京帝国ホテルで「信用リスク管理高度化への挑戦~次のステージに向かって~」というテーマでセミナーを開催しました。
荷月秀明リスクソリューション本部長・マネージングディレクターは「2007年春から適用されたバーゼルⅡに関するさまざまな議論を経て、信用リスク管理の重要性は十分に認識された。邦銀上位行の信用リスク計測のレベルは世界的に見ても高いといえるだろう。しかしバーゼルⅡの要求基準を満たすことで、信用リスク管理水準が十分に達成されたと考えるのは早計である」と述べ、経営上の合理的な資本配賦政策のために、信用リスク管理の高度化を図ることが次なる課題と強調しました。
カナダ・トロント在籍で同部門のグローバルアナリティックス・チームのバイス・プレシデントであるボギー・オズデミルは、景気サイクルを加味した長期的なデフォルト率の蓄積が十分でない現状のなかで、合理的な経済資本のベースとなるデフォルト率の推計手法についての考え方を披露しました。
引き続いて、シンガポール在籍の同部門のアジア太平洋地域のバイス・プレシデント、クリストファー・キャレーは、金融機関や地方自治体などデフォルトが少ないセクターと、豊富なデータ蓄積があるセクターとの整合性を調整して、全体として一貫性のある信用リスク管理態勢を構築するための課題とそのフレームワークについて見解を示しました。
最後に、このような議論をふまえた上で、同部門の坪倉省一ディレクターが「本邦金融機関へのインプリケーション」というテーマで、日本の金融機関が挑戦しなければならない信用リスク管理上の今後の課題などを指摘しました。
今回のセミナーには、メガバンクの信用リスク管理担当者や規制当局関係者を含む約150名が参加し、高度な信用リスク管理手法や直面する次の課題などに、熱心に耳を傾けました。ある参加者は「今日のセミナーで信用リスク管理の高度化についての課題を再確認することができ、非常に有益でした。かなり高度でテクニカルな分野なので、こうした先進的な話を聞く機会もそう多くなく、大変参考になりました」とセミナー参加の感想を述べました。
荷月は「スタンダード&プアーズのリスクソリューション部門は信用リスク管理面で、他の組織が提供することができないユニークなサービスを提供している。これまで日本においても、内部格付け制度の構築支援とその検証、デフォルト率の推計支援など、さまざまなサービスを提供した実績がある。こうしたサービスはグローバルに信用リスク管理の専門家を配して、常に最先端の考え方を調査、研究しているスタンダード&プアーズであればこそ提供できるサービスである」と述べました。
スタンダード&プアーズ リスク・ソリューション部門について
スタンダード&プアーズ リスクソリューション部門は、金融機関、企業、公的機関などに、リスク関連商品およびサービスを提供しています。リスクソリューション部門は、スタンダード&プアーズ格付け部門とはファイアーウォールにより分離されています。格付け対象の機密情報が格付け部門からリスクソリューション部門に、また、リスクソリューション部門の機密顧客情報が格付け部門に提供されることはありません。格付けおよびリスクソリューションの部門間の接触は、スタンダード&プアーズの公開しているファイアーウォールの方針に準拠しています。この方針では、格付けおよびリスクソリューションの部門間における分析方法、産業別もしくはセクターレベルの信用情報・評価の共有については認めており、この関係が、スタンダード&プアーズ
リスクソリューション部門のサービス提供の根拠になっています。 |