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STANDARD & POOR'S

格付けポリシー・規制関連

 

バーゼルIIに関連して証券化案件の情報開示方法を変更

掲載日:    Aug 02, 2006 23:00 JST
アナリスト: 依田真美、東京 電話 03-4550-8730 斉藤広美、東京 電話 03-4550-8786
小林誠(業務開発)、東京 電話 03-4550-8307

金融庁が7月28日に発表したバーゼルIIに関する「新規制実施に関する調査・検討事項:証券化取引における格付の公表要件」を受けて、スタンダード&プアーズは本日、東京オフィスが格付けする証券化案件の情報開示方法に、以下の通り変更を加えることとした。スタンダード&プアーズが格付けを付与した証券化案件が日本国内においてバーゼルIIで適格となるために要求されている情報開示水準を満たしているか否か、できるだけ分かりやすく投資家に開示することが変更の目的である。なお、現在当ウェブサイトの格付けリストに格付けが掲載されている証券化案件については、必要な情報開示項目を公表可能であり、必要項目を含めた格付けリストを近日中に公表する予定である。また、同リストに格付けが掲載されている証券化案件はすべて、格付け推移行列の分析に用いられている。グローバル・ベースの格付け推移行列に加え、本邦ベースの格付け推移行列も公表する予定である。

2006年10月1日以降に格付けが付与される案件について
2006年10月1日以降にスタンダード&プアーズ東京オフィスが格付けを付与する証券化案件について、バーゼルIIで適格となるために要求されている情報開示項目の案件名、格付け、発行金額、通貨、裏付け資産の種類、劣後比率、発行日または発行月(もしくは格付け付与日または格付け付与月)、法定最終償還日または法定最終償還月、クーポン・タイプ(固定/変動)、利率が公表される場合は、添付資料のように、プレス・リリースの冒頭に記載する予定である。また、情報開示要件の内容自体または該当要件がプレス・リリースで言及されているかどうかについても格付けリストに記載する予定である。これらの項目がすべて記載されていれば、金融庁から指定された開示要件はすべて満たしていることとなる。なお、金融庁の発表によれば、利率は推奨項目である。

スタンダード&プアーズ東京オフィスが格付けを付与する案件で、金融庁のバーゼルIIの定義によるところの「海外の案件」に該当する案件についてはその旨、格付けリストに明示する予定である。

既存の証券化エクスポージャー(2006年9月30日までに格付けが付与された案件)について
現在スタンダード&プアーズの日本語ウェブサイトの格付けリストに掲載されている証券化案件については、必要な情報開示項目(案件名、格付け、発行金額、通貨、裏付け資産の種類、法定最終償還日または法定最終償還月)を公表可能であり、必要項目を記載した格付けリストを近日中に公表する予定である。同リストは公表後も2006年9月30日までに格付け付与された案件は適宜追加され、スタンダード&プアーズ東京オフィスより公表格付けを付与された証券化案件に関しては、必要な情報項目が公表される限りにおいて、このリストに掲載していく予定である。

スタンダード&プアーズは、格付けの付与およびサーベイランスの過程において提供された情報の正確性および完全性については、発行体とその弁護士、会計士、その他の専門家に依拠している。

 

<添付資料:プレス・リリース例(利率、劣後比率など、架空の案件)>

S&P、案件Xに格付け

新規格付け
案件X 優先受益権
(発行総額100億円、2006年8月3日発行、2012年9月法定最終償還)
裏付け資産 キャッシング債権
AAA*1 クラスA(発行額77億円、固定金利、利率1.0%/年、劣後比率33.0%*2
A*1 クラスB(発行額15億円、変動金利、利率1カ月Libor+1.0%/年、劣後比率20.0%*2
BBB*1

クラスC(発行額8億円、変動金利、利率1カ月Libor+1.5%/年、劣後比率13.0%*2

(2006年8月3日、東京=S&P)スタンダード&プアーズは本日、案件Xを上記の通り、格付けした。キャッシング債権は信託銀行に信託譲渡される。これを裏付け資産とする優先受益権クラスA、クラスB、クラスCが本件格付けの対象である。

当該格付けは、利払いが全額遅延なく行われ、かつ法定最終償還期日までに元本が全額償還される可能性について示唆するものである。

当該格付けは、主として以下の要因に基づいている。

  • 裏付け資産の信用リスクなどをカバーする十分な超過担保が設定されている。
  • コミングリング・リスクをカバーするための回収金の前払いがなされている。
  • サービサー交代事由が設定されており、サービサー交代時の流動性を補完する十分な現金準備金が案件開始時において積み立てられる。
  • 信託債権の余剰金利が貸し倒れロスを補完する仕組みになっている(デフォルト・トラップ)。
  • 裏付け資産と格付け対象債務の金利リスクをヘッジするために、発行主体と適格なスワップ・カウンターパーティとの間で金利スワップ契約が締結されている。
  • 早期償還事由が設定されており、事由発生時には元本償還方法がターボ償還に変更される。

*1  当該格付けに関しては、本邦における「証券化取引における格付の公表要件(2006年7月28日に金融庁が発表)」が求める案件情報の必要項目が開示されている。注1

*2 劣後比率の算出方法は、以下の通り。
     劣後比率:1-(A+B)÷(C-D-E)
          A:格付け対象債務および同等の優先順位の債務
         B:格付け対象債務より優先される債務
          C:裏付け資産(現金を含む)
         D:流動性補完のための資産
         E:優先劣後構造を持たない債務(売主持ち分など) 

   ただし、マスタートラスト・スキームの場合は、同シリーズ内で上記の計算を行う。
     
注1:開示されていない場合は、その旨を記載。