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銀行の事業継続性評価

スタンダード&プアーズの銀行の事業継続性評価は、銀行の業務が、銀行本体によって、あるいは事業を継承した機関を通じて、中期的に継続される蓋然性に関するスタンダード&プアーズの意見である。銀行に支払能力があるかないか、またすべての金融債務を期日通りに履行しているかどうかは問わない。事業継続性評価は、銀行が困難な状況下に至った場合に、どの業務が継続され、どの業務が停止されるかに関して見解を表すものではない。銀行の事業継続性評価はカウンターパーティ格付けとリンクしており、通常はカウンターパーティ格付けと同等か、それより高い。事業継続性評価が比較的低い場合、それは、政府がその銀行の業務継続を認めないであろうとスタンダード&プアーズが予想しているという趣旨ではない。事業継続性評価が低いということは、その銀行が金融債務を期日どおりに履行する能力を表す信用格付けがまず低い水準にあり、銀行が債務不履行に陥ってもなお政府がその銀行の業務継続を認容するであろうと明確に予想するに足る特別な状況をスタンダード&プアーズが認識していない、ということである。

カウンターパーティ格付けと比較すると、事業継続性評価では、その銀行の当該国の銀行システムにおける相対的な地位(マーケットシェア・財務力の両側面)、特別な役割、および政府や強い親会社による所有などの要因に、より大きな比重が置かれる。従って、たとえある銀行が脆弱で期日どおりに金融債務のすべてを履行できない可能性があっても、その銀行が、所在する国内で最も健全である、または「大きすぎるが故に破綻させられない」と認識され、その結果、必要に応じて政府の直接的支援や規制上の寛大な措置を受け、業務の継続を許されることになる――といった可能性が事業継続性評価では考慮される。また、金融システム全体が危機に陥っている場合、政府が一時的に銀行預金を凍結し、あるいは銀行の特定の金融債務をデフォルトさせることがあるが、このような場合でも、一部の銀行に対しては引き続き業務の継続が認められることが多いということも事業継続性評価では考慮している。

ある水準の事業継続性評価が付与されている場合、それは、格付けを付与されていない何らかの金融債務が履行される可能性がその水準であるということを意味するものではない。実際には事業継続性評価は、銀行の債務および銀行が信用補完している債務が、保証などの外的な支援なしに得られる格付けの上限となる。スタンダード&プアーズは、銀行の特定の債務または銀行が信用補完している特定の債務を格付けするにあたっては、その特定の種類の債務がその予定償還期限までの全期間にわたって履行される蓋然性を評価する。従って、特定の債務についてはその債務の格付けを参照すべきである。

事業継続性評価は、銀行によって提供された、またはスタンダード&プアーズが信頼に足ると判断した他の情報源から入手した直近の情報に基づいている。スタンダード&プアーズは事業継続性評価に際して会計監査を行うことはなく、また、場合によっては監査を受けていない財務情報を利用することがある。銀行の信用格付けが変更となるか、または情報が変更されるか入手できなくなった場合、あるいはその他の状況において、事業継続性評価は、変更、保留、あるいは取り下げになることがある。

AAA 事業継続性評価が「AAA」の銀行は、銀行本体で、あるいは事業を継承した機関を通じて、業務を継続する蓋然性が極めて高い。この評価は通常、金融債務を期日どおりに履行する能力が、この事 業継続性評価と同じ水準にある銀行に対してのみ付与される。「AAA」は、スタンダード&プアーズが付与する事業継続性評価の中で最も高いものである。
AA 事業継続性評価が「AA」の銀行は、業務を継続する蓋然性が非常に高い。この評価は通常、金融債務を期日どおりに履行する能力がこの事業継続性評価と同じ水準にある銀行に対してのみ付与される。最上位の評価との蓋然性の格差は小さい。
A 事業継続性評価が「A」の銀行は、業務を継続する蓋然性は高いが
、上位2つの評価に比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい。
BBB 事業継続性評価が「BBB」の銀行は、事業を継続する相応な蓋然性を有しているが、事業環境や経済状況の悪化によってその蓋然性が低下する可能性がより高い。
BB 事業継続性評価が「BB」の銀行は、事業環境、財務状況、または経済状況の悪化に対して大きな不確実性、脆弱性を有しており、状況によっては、銀行が事業を継続する能力が不透明となり、銀行が規制当局の介入を受ける可能性がある。
B 事業継続性評価が「B」の銀行は脆弱である。事業環境、財務状況、経済状況が悪化した場合には、銀行が事業を継続する能力が損なわれる可能性が高く、銀行が規制当局の介入を受ける可能性がある。
CCC 事業継続性評価が「CCC」の銀行は、現時点で脆弱であり、その業務の継続は、良好な事業環境、財務状況、経済状況、または規制当局の対応に依存している。
CC 事業継続性評価が「CC」の銀行は、現時点で非常に脆弱である。

プラス記号(+)とマイナス記号(-)
「AA」から「CCC」までの評価には、プラス記号またはマイナス 記号が付されることがあり、それぞれ、各カテゴリーの中での相対的な強さを表わす。

R 財務上の問題が理由で規制当局の監督下に置かれている銀行に付与される。事業が継続されるかどうかは、今後、規制当局が取る措置によって決定される。